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WRONG MY JESUS-ファッショングッズ-

305号室

WRONG MY JESUS
『迷信や狂信的な神秘主義はあまりに突拍子もないと楽観的な出入り口となりとても愉快だ。
遥か昔、縫い目には呪力がやどるといわれていた。』

designer

小林 七生
1981年東京生まれ。
裁縫プロジェクト「WRONG MY JESUS」と平行しドラム演奏を中心とした音楽活動も行っている。
『THE KINKY PIGEON』『若野コンチ竹村タケコ』などのユニットで活動中。
行為として真逆の作業を横断することで互いの創造性を高めている。

2007年 手作業による裁縫プロジェクト『WRONG MY JESUS』を発足。アクセサリーや小物の制作を開始。
2008年『泥棒に神話を盗られた展』布を主な素材とし、オブジェや祭壇、アクセサリーを発表。
2009年『ケツ頭の法則』初の個展を原宿ROCKETで開催。刺繍された無数の言葉や人形を展示。

designer

 

『ジングルベルトが石を投げその後に起った出来事』
 地を這う重力の神ジングル・ベルトはその昔、牧場で玉転がしをしていた。そのとき空はまだ白いメタクレドに覆われていた。ある日、雷雲の神ハスクが追放され、空は青さを取り戻し、そして一羽の鳥が現れた。それが『地に降り立つときは死ぬ時さの鳥』だった。重力に逆いいつまでも飛び続けるその鳥を憎らしく思ったジングルベルトは、どうにか落としてやろうと考えた。石を投げ、矢を打ち、さらに重力を強めた。しかし落とすことはできない。そこで考えついたのは、鳥籠の罠を作りその中で待ち構えることだった。しかし、300年の間、鳥が降りてくる事はなかったし、寝ているときでさえ風を枕にすることができた。待ち続けていたある無風の日、鳥はボトリと落ちてきて、ジングルベルトに向かってこう言った。
『私は昔、少年で少女、やぶで鳥、海の中の無言の魚であった』
そして死んだ。
その時初めてその鳥が『地に降り立つときは死ぬ時さの鳥』であったと気付き、ひどく悲しんだ。悲観と後悔の念にかられ、全ての重力をホッペタのあめ玉の中に封じ込めてしまった。それ以来、籠の中を出ることはなかったのがジングルベルト。

 

 

 

 

 

 

 

 

架空の神話を作り、その物語にまつわる偶像や神具、または装飾などを施した一つの世界観をモチーフに手作業で繕う巡礼の旅。というと信心本気っぽいけれど、まず先にあるのは表象されたイメージの方で、迷信や狂信的な神秘主義は、あまりに突拍子もないと、楽観的な出入り口となるし、とても愉快だ。もちろんなんでもよくない。でもなんでも神様。どうしてもデフォルメされたな偶像のたのしさは正確に複製することはできないから、そのためには手作業が前提になる。また神話も必要になってくる。かならずしも美しいものだけではない、崇高なだけじゃない、何かになろうとしている未完成のフォルム、失敗した姿で現れるキッチュなモノだったりもする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『どこの国もここの国
 ここの国はどこにもねぇ
 生まれる前にもなかったか
 どこかでわかるこの感じ
 スイッチをオンに辿って現れた
 どっかの色や時間の神話
 果てしない今と昔の音楽』
(『ケツ頭の法則』展より)